アルゼンチンの国営航空会社

◆現在、アルゼンチン・ブエノスアイレスに出張中。これから業務でお世話になる方々への挨拶まわりなど、数日過ごします。それにしても、行くたびに勉強になります。ブラジルという遠隔地からアルゼンチンを眺めてばかりですが、現地に行かないと分からないことばかりです。

◆サンパウロからブエノスアイレスに向かったのですが、今回はアルゼンチンの国営航空会社である「アルゼンチン航空(AG)」を使いました。この2時間半の路線を取り扱っている航空会社ですが、ブラジルのTAM、GOL、そしてAGがあり、そのほかにLan ChileやBritish Airways(BA)などがあります。前回はTAM(最近全日空とのコードシェアで日本・ブラジル間の共同運航を開始することを発表しましたが)を使いましたが、今回AGにした理由は、AGの場合、ブエノスアイレス到着が市街地から10分ほどの通称「アエロパルケ」(国内空港)に到着するメリットがあるためです。他の航空会社ですと、到着が市街地から40分程度かかる場所にある国際空港の「エセイサ」空港になります。

◆0700発のAG便に乗りましたが、驚かされたのは、その乗客数です。前回、同じ時間帯に出発するTAM便(0645発)はほぼ満席だったのですが、今回のAGの搭乗率は恐らく2~3割といったところ。席は選びたい放題で、空いているときによくやる「3席占領して、横に寝る」という乗客の光景が至るところで見られました。機体も古く、座席に画面はありませんし、音楽を聴いている乗客もいたのかどうか。この差はいったい何なんだろうと思いました(朝食の貧相さは互いに譲っていませんでしたが)。

◆昼食会の席で隣の方に、「AGも厳しいようですね」とその様子を織り交ぜて話したところ、その方からは「厳しいなんてものではありません。潰れていますよ」と返ってきました。話によると、AGの毎日の赤字額は100万ドルから150万ドルあたりになっているとのこと。さらに、隣に座っていた別の方からは、「先日地方に出張しましたが、AGから『往路は次の便に乗られるようにお願いします。復路は1時間半前の便に乗られるようお願いします』と言われました。後ろの便への変更は分かりますが、前の便に乗ってくださいというのはどういうことですかね」とのコメント。そうすると、「いや、私もそれは聞いたことがあります」と続き、気が付けばAG話に花が咲いていました。

◆改めて報道を確認しますと、AGの赤字額は、2008年に10.62億ドルだったのが、2009年には23億ドルに増加。2008年7月に国有化してから赤字額はうなぎ上りになっています。国有化以前が9億ドルの赤字だったことを考えますと、国有化は失敗であり、「ブラジルのヴァリグ航空の二の舞」のような末期的な状況になっている様子です。国が面倒を見ている限り、倒産はないのでしょうが、どこまで国税をつぎ込むのか。景気が回復基調にあるアルゼンチンではまだ目立たないことかもしれませんが、今後の財政だけではなく、政治的なインパクトからも無視できない事象ではないかと思いました。

◆そんな中、数日後に、今後は復路に乗るわけですが、もしかすると飛行機の遅れは覚悟した方がよいかもしれません。遅まきながら、ウルグアイ駐在時代に、AGには度々飛行機の遅延で泣かされていたことを思い出しました。
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