ウルグアイというビジネスモデル

◆24日付の日本経済新聞HPシンフォニア・テクノロジー社がウルグアイで風力発電のビジネスを開始するとの報道がありました。日本企業の進出が少ないウルグアイにとっては目出度い話です。既に6月9日付の現地紙でも報じられておりますが、同社がウルグアイ側(工業省や国営電力公社)に技術供与も含めた協定を結ぶといった内容になっています。

◆なぜウルグアイにシンフォニア・テクノロジー社がやってくるのかということになりますが、本年2月5日付同社プレスリリースにありますように、ブラジルでの同社製品の現地生産及び販売という契機があったように思われます。同リリースで示唆しているように、ブラジルを始めとする南米諸国へのアプローチも検討対象に入っており、その第一弾が隣国ウルグアイになったのではないかと思われます(実際、ウルグアイ政府は2015年までに風力発電が国内電力消費の6%を賄うを見込んでおり、そのための制度作りにも動いているようです)。

◆ウルグアイのような小国に進出することに果たしてメリットがあるのかという点について、恐らく多くの企業の方々は懐疑的になると思われますが、南米に視線を注ぐ多くの多国籍企業にとっては、ゲートウェーとしてのウルグアイというのは、比較的常識の範囲内として取り扱われているような気もしてます。

◆これは、2004年頃の話ですが、インドのタタ・コンサルタンシー・サービス社がウルグアイに進出した際に、タタ財閥のトップが現地紙に対して、「ウルグアイを南米の拠点にすることの魅力として、国が小さいことがある。つまり、国のトップへのアクセスが近いことであり、当社の意向をしっかりと聞き入れてもらえるということである」といった主旨の発言があったことを記憶しています。

◆小国に対して相応の投資などをすれば、その時の政府は強力な味方になってもらえる可能性が高いということです。ウルグアイ(人口350万人)はその意味で、前のバスケス政権から投資誘致などに力を入れているため、それに資する活動をする企業(人々)に対して義理堅いところがあると見ています。逆説的ではありますが、ブラジルにどれだけ投資をしても、ブラジル政府が強力な味方になってもらえる保証はそれほど高くないでしょう。

◆本件に関連したウルグアイの魅力としては、(1)国のトップへのアクセスが近い、(2)周辺諸国と比べるとクリーンである、(3)政府が左派(&田舎者)ということで真面目である、といったことがあります。進出する業態によって、ブラジルやアルゼンチンといった周辺諸国への輸出で非関税の障壁があるとか、ウルグアイ国内で雇用する人材に限りがある、等々の問題に直面するかもしれません。ただ、それとは別の悩ましい問題はブラジルでもアルゼンチンでも存在することも事実です。

◆ウルグアイをテストケースとして見ているのではないかと思われるシンフォニア・テクノロジー社の今後に注目したいと思います。
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