南米から欧州への麻薬の流れ

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◆先日、地元紙(Estado de Sao Paulo)では、ウィキリークスによる米大使館公電の公表に関する記事が出ていましたが、その中で南米から欧州の麻薬の流れに関心を寄せていると報じていました。ちなみに、欧州のコカインの10%、フランスの40%がブラジル経由で到達しているとのこと。ただ、ブラジルが出所というわけではなく、ルートとしては、「ボリビア、コロンビア、ペルーなど→ブラジル→アフリカ(モーリタニア、アルジェリア、モロッコ)→欧州」といったものだそうです。

◆米国が関心を寄せるのは従来のコロンビアやメキシコから北上するルートだけかと思いきや、そうではないのですが、その訳はアフリカ内で発生したマネーがアルカイダの資金として流れていると見ているためだそうです。改めて米国政府が追いかける範囲の大きさに気がつかされます。

◆麻薬は、主にボリビアやペルー、又はコロンビアからブラジルに流れてくるそうですが、アフリカに向けてはブラジル最大の港であるサントス港やアフリカに地理的に近い北東部の港(サルバドール辺りでしょうか)から出ていくとのこと。そういえば、先日の地元のTV番組ではボリビアとの国境辺りから闇夜の国道を自転車で麻薬を運搬する運び屋が紹介されていたそうです。ブラジル国内では、麻薬はボリビアなどブラジルの西隣の国々から流れてくるというのがある程度の常識になっています。

◆そこで気になったのが先般リオデジャネイロで展開されたスラム街での麻薬カルテル一掃の動きです(日本では北朝鮮による韓国国境沿いへの攻撃であまり目立たなかったかもしれませんが、こちらでは連日生放送していました)。2016年の五輪などを意識して、地元警察や軍、更には行政が本気になったとの見立てがありますが、このような世界を股にかけた麻薬の大きな流れがある中で、この一都市の取り締まりにどこまでの効果があるかは不明で、もしかすると砂漠への一滴になりかねない可能性もあります。

◆根が深そうな問題がある中で、ブラジルでは1月1日に新政権の誕生となりましたが、話題の中心は経済の賑やかなものばかり。このような類の話は聞こえてこないのが実情です。

(写真のサントス港は、あくまでイメージです。埠頭の場所と本論とは何の関係もありません。為念)
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