税関あれこれ

◆昨日に続いて、セミナーの話。今日は税関に関するセミナーに顔を出してきました。

◆自分は税関について関税を徴収する歳入機能と一面的に捉えていましたが、セミナーでは、税関の役割として、先程の歳入機能だけではなくて、「(麻薬や偽物の流出入から守る)社会の保護」と「貿易・投資の促進」と例示。改めて、自らの勉強不足を再認識しました。

◆また、税関に携わる人々の間の問題関心は、「円滑化」と「安全性」のバランスをどうすればいいのかということのようです。立ち位置によって見方が変わるのですが、例えば民間企業からすると、やはり「円滑化」が鍵になってきます。そして、輸出対象先の公権力から「安全性」と盾にされて税関においてビジネス活動を邪魔されるとなるとたまったものではありません。その辺りは、ラテンアメリカ諸国にとって、彼らの主要輸出先である米国との関係を考える際に大きくライトアップされます。

◆今回のセミナーを主催したのがBASCという機関。Business Alliance for Secure Commerceという非常に曖昧なネーミングのした団体でした。何をやっているのかというと、米国向けの輸出の円滑化を米国政府と一緒になって保障していこうとするラテンアメリカを基盤とした企業団体のようです。セミナーでは麻薬云々の話が協調されていたので、これがこの団体の昨今の流行なのかと出席者に尋ねると、その人はこの団体の発足当時の名前を教えてくれました。それは、現在と同じBASCなのですが、意味するところはBusiness Anti-Smuggling Coalition(反密輸ビジネス連合)。

◆ものの始まりは、対米輸出の際に、麻薬との関係があるのではという米国税関の対応に業を煮やした輸出入関連企業が知恵を絞った結果によるもの。そのためか、積極的に活動しているのは、コロンビアだったりします。また、メキシコとの国境沿いの活動も積極的なようで、担当者がしっかりとセミナーに出席していました。

◆また、米国政府もこの団体の役割に注目しているようで、2001年の「911」以降、BASCを拡大解釈して、対テロリスト対策の役割を担ってもらおうと働きかけています。自国の税関で対処するのでは遅すぎるわけで、既に輸出してくる先の税関から管理してほしいということだそうです。これをセミナーの中では、「トレード・サプライ・チェーン」と呼んでいました。サプライ・チェーンとは粋なネーミングだなと変に感心してしまいました(そんな類のネーミングセンスには脱帽)。

◆ウルグアイですが、果たして米国政府が目をつけているのかどうか。相対的にはラテンアメリカの中では優秀なのですが、最近は麻薬等の経由地として使われることが増えてきているようです。その辺は、また機会を見つけて紹介していこうと思っています。
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