エタノール

◆今日は、人探しで或る会議を覗くことになりましたが、ちょっと驚かされました。イベロアメリカ地域(イベリア半島+ラテンアメリカ地域)における再生エネルギーに関するセミナーでしたが、並行して同地域の大臣会合も開かれるために、集まった人がすごかった。自分が会場に入ったときには、既にペトロブラス(ブラジル国営石油会社)の社長さんがポルトニョール(スペイン語とポルトガル語のミックス)で力説していましたし、その後にはブラジルの開発商工相の登場・・・。

◆「えーと、誰だったっけ」と悩んでいて、会社に戻ってから主催者の一つであるUNIDOウルグアイ事務所のHPの資料を見ると、「フルラン」と出ているではないですか。「あっ、フルランだ!」と思った際には、時既に遅し・・・。新聞紙面でしか見たことのない隣国の有名人の話をもっと心して聞けば良かったと思ったのでした(といっても、ポルトガル語をまくしたてるオッサンでしたけど)。

◆会議の主題であった再生エネルギーに関しては、ブラジルは大国です。フルラン開発商工相もしっかりとその点を強調していました。ちなみに、彼が最初に例示したのは、国土・人口・GDPの3点でそれぞれ大国と呼べるのは、実は米国・中国・ブラジルの3カ国しかないという紹介から始まっていました。「エネルギーと何の関係があるんかいな、どうも我田引水だよな」と思ったのですが、これこそが「未完の大国」の思考回路なんだと隣国で勉強させてもらうのでした。

◆それから、ブラジルのエネルギー面でのベスト・ミックスを目指す中期計画なるものが紹介されていました。それによれば、2023年には、再生エネルギー42%、原子力1%、石炭12%、石油・ガス45%を目指すということに。再生エネルギーの比率が非常に高いのです。ちなみに、全世界ですが、再生エネルギーはわずか8%、原子力が5%、石炭が24%、石油・ガスが63%となっています(遠くからの見学だったので、若干の数字の誤差は許してください)。ブラジルが如何に再生エネルギーの世界で先進国であるかを見せ付けていました。

◆この再生エネルギーの旗頭となっているのがエタノールです。どうもこの地域で働く日本企業の方々と話をしても、絶対に出てくるネタになってきました。余談ですが、自分のエタノールとの出会いなんて実に酷いものでした。1990年のリオデジャネイロなんてエタノール不足が深刻で、当時エタノール車を使っていた父が働いていた会社にある社用車の運転手の主な仕事はガソリンスタンドで並ぶことだったという笑えない話があります。また、最初は、リオ郊外に居を構えていたのですが、車で会社まで片道40分ではエタノールを食い潰すということで、泣く泣く街中に引っ越した記憶もあります。つまり、当時の記憶しかなかった場合、エタノールとは「使えないもの」であって、それをせっせと開発するペトロブラスとは「酔狂な会社」だと思えたのでした。

◆時代の先端を行く存在は常にそんな風に見られるのでしょう。そして、ペトロブラスが成功したのは、時代背景が手伝ったこともさることながら、きっと自らが目先にとらわれず遠くを見たためだったと思います。ペトロブラスの活躍にとって、ブラジルは気が付けば石油の自給が可能となり、いつしか輸出もできる体力になってきているとのこと。そして、エタノールは外交の武器になっています。例えば、ルーラ大統領は熱心にエタノールの対日輸出を頑張っていますし、フルラン開発商工相はその信者の一人になっています。このセミナーでもしっかりと日本とのJVでエタノールの対日輸出が本格化すると企業名まで出していました(ご参考まで)。

◆そんなところで、今朝の日経新聞には以下の記事

ブラジル国営石油、円建て外債350億円発行へ
 【サンパウロ=岩城聡】ブラジル国営石油会社ペトロブラスは27日、日本の投資家向けに総額350億円の円建て外債(サムライ債)を発行する。同社は1997年にサムライ債を出したが、2001年のアルゼンチン国債のデフォルト(債務不履行)による中南米全体の信用低下で発行を停止していた。資源高を背景にした信用回復で発行再開に踏み切る。
 期間10年、表面利率2.15%で、国際協力銀行が元本と金利の一部の支払いを保証する。野村証券と三菱UFJ証券が共同主幹事を務める。 (07:00)


ペトロブラスも着実に信用度が高まっているということでしょう。これに関連して色々とまた話を聞きたい方が増えてきました。どうぞ、そのときは宜しくお願いします(笑)。
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