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ウルグアイの物価

◆サンパウロで生活をしていると、時折、東京の物価と変わらないと思うときがあります。例えば、お昼時のビジネス街。日本食レストランのメニューは平気で30レアル(約1,500円)を超えています。それでも、地元ブラジル人であふれかえっていることに、赴任当初は驚きを覚えました(その後、ブラジルの一般的な企業には、会社による食事補助が制度として存在することを知るのですが)。

◆時に「ブラジルは東京よりも物価が高いのでは」とか、「南米のよその国はきっと物価が安いだろう」という話を聞きますので、ここで少し調査会社のデータを参考にしてみたいと思います。

Mercer社が毎年発表するCost of Living調査があります。ニューヨークを100にして、世界中の都市を物価の高い順にランキングしています。以前、ウルグアイでブログを書いていたころ、この数字を毎年記事にしていた気がしましたので、ここで少し復活してみたいと思います。

◆主な南米諸国のランキングの変遷は次のとおりです。

都市名: 2008年 → 2009年 → 2010年
サンパウロ(ブラジル): 25位 → 72位 → 21位
リオデジャネイロ(ブラジル): 31位 → 73位 → 29位
ブエノスアイレス(アルゼンチン): 138位 → 112位 → 161位
モンテビデオ(ウルグアイ): 136位 → 131位 → 129位
アスンシオン(パラグアイ): 143位 → 141位 → 204位
サンティアゴ(チリ): 92位 → 128位 → 123位
ラパス(ボリビア): - → - → 211位
リマ(ペルー): 115位 → 122位 → 135位
キト(エクアドル): 142位 → 136位 → 194位
ボゴタ(コロンビア):87位 → 120位 → 66位
カラカス(ベネズエラ): 89位 → 15位 → 100位

◆この調査の基本はドル換算ですので、対ドルの為替の影響が大きく反映することになっていますし、ユーロ高の頃はそれに見合った順位の変動がありましたので、実はあまり順位にこだわることに意味はないかもしれません。ただ、同じ地域の比較をする際の定点観測としては役に立つと思っています(なお、2009年までには140都市強だった対象都市は2010年に214都市に増えました)。調査結果をみると、サンパウロなどブラジルの都市は南米で最も物価の高い部類に入りますし、レアルが高止まりしても、物価そのものは高くなっているようです。

◆ここ数年ウルグアイを訪れていないなかで、友人から「ウルグアイの物価がサンパウロ並みになっている」との話を聞きましたが、この調査結果をみると、そこまで急激に高くなっていることはないのかもしれません。地元スーパーのサイトをみても、テーブルワイン(ボトル)の価格は、相変わらず100~200ペソの間でラインを揃えることができます。ただ、2004年~2007年当時、ウルグアイは世界でも最も物価の安い都市であったことから考えると、幾分かは高くなったかもしれません。

◆ちなみに、この調査によれば、東京と大阪はトップ5の常連のようです。「サンパウロが東京並み」というのは、ちょっとした思い込みの部分があるか、それとも日頃の生活スタイルがもしかすると贅沢なのではないかという示唆なのかもしれません。