人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ガラパゴス上陸

◆クリスマスを跨いで両親夫婦と一緒にガラパゴスに旅をしました。本来であれば、両親夫婦の結婚30周年記念に訪問することになっていたのですが、その年に自分達夫婦の挙式があったために、計画が流れてしまったとのこと。その後、結婚35周年に訪問する予定にしていたようですが、それを2年ほど前倒しにしてもらいました。

◆ガラパゴスというと、どうしても自然の宝庫であり、希少動物が生息する最後の楽園のような印象がありますが、エクアドルから1,000キロ程度離れた孤島の群れであるものの、人口はゆうに1万人を超えていますし、中心地とされるプエルト・アヨラはれっきとした町であり、数ヶ月前にイースター島を体験した自分としては、ガラパゴスの予想外の発展ぶりに驚かされました。

◆イースター島と同様に、ガラパゴスは基本的に観光業を生業としていて、それに従事する人々が中心に島の社会は形成されています。ガラパゴスが商業目的に観光が開始されたのが1969年といいますから、思ったよりも最近の話です。また、これもイースター島と同様に、外資の開発を禁止しているため、グローバル化以前の牧歌的な助け合いの精神が仕事の中に成り立っています。秩序化且つ透明化される以前の社会なので、ガイドの案内する店が友人の店ということは容易に想像されるわけで、そのようなことによって親類縁者が支えあっている構図が垣間見えてきます。

◆ガラパゴスへの上陸に際しては、国内居住者は6ドル、海外からの観光客には100ドルの入島料がかかります。統計によれば、04年にガラパゴスに訪れた人々は10万人強とのことで、その内訳が外国人7割:エクアドル人3割とのこと。そのようなその歳入は国庫ではなく、ガラパゴスの島々に還元されるそうで、島への上陸への値段の高さを感じつつも、島のために役にたつのであれば納得した次第です。

◆余談ですが、同島には、大型外資の参入はなくとも、一泊500ドルという桁違いのホテルが存在します。そこの従業員から話を聞いた限りでは、同施設の利用者は北米を中心とした観光客のほかに、エクアドルの国会議員がお得意様とのこと。「会議」と称して、同施設を予算という名の税金から落としていることは未だ想像の域を出ませんが、規模は違えど、どこの世界も似たような光景が散見されます。

◆いずれにせよ、そのような様々な「観光客」のお陰で、島の失業者はいないようですし、物乞いも存在しない、エクアドルでは理想的な光景を目にすることができます。現在の島の村長も堅実な行政をしているとのことで、観光を通じて中央政府に流れようとするおカネをどのように島に留めておくのかということを思案していると聞き及んでいます。