◆以前、ウルグアイワインの話をしました。その際には、東京の虎ノ門近くにあるワイン・ショップで確認できる以外は存在しないといったことや、一方で名の知れないブランドのウルグアイワインが日本に上陸しているようだとも言及しました。その後、その正体(?)を確認すべく少し調べてみましたので、今日はその報告でもしてみたいと思います。
◆はじめに、おさらいとして、ここ最近までのウルグアイワインの対日輸出については、ウルグアイ側にとって王道を歩んでいないような歴史がありました。例えば、糖分のないワインが2005年に1000ケースほど輸出されるとか、フランスのワイン会社がウルグアイワインを抱き合わせとして日本の会社に買ってもらったとかいったものです。必ずしも、ウルグアイワインの質が評価されたものではなく、「結果的に」日本に輸出されてしまったようなものが多かったように思われます。そして、メジャーなウルグアイのワイナリーはブラジル、北米、欧州を向いていました。
◆たしかに、ウルグアイでは、付加価値がつくという理由からボトルワインを日本に売りたがるワイナリーの担当者をたくさん見てきましたが、ウルグアイ在住当時、個人的にはボトルワインの輸出は時期尚早だと思っていました。そもそも在庫があまり気味である日本の買い手企業が取り立てて売り込み材料のないウルグアイワインの面倒を見るとは思いませんでしたし、彼らが売りたい価格帯と日本の市場のニーズとがマッチしませんでした。したがって、一部の日本企業の方々には、現地調査も含めて、まずは南米南部の一つの国として、ウルグアイ・ワインはバルクで買う可能性を検討してもらうべく動いた記憶があります(残念ながら商売としては結実しませんでしたが)。
◆一方、2006年から和香イマール社が試験的にウルグアイワインを輸入していることが確認できました。Valle Mariaというウルグアイでは必ずしもメジャーではないワイナリーからでしたが、ある日本人を介して輸入まで至ったようなことを仄聞しています。この会社は2007年秋からは本格的にウルグアイワインの輸入を開始し、2008年2月までに740ケースの輸入すると見られています。
◆また、調達元を増やすべく、ウルグアイで一番の名門であるJuanico、そしてモンテビデオの空港近くで展開するCarrascoといったワイナリーからそれぞれ900ケースと250ケース程度を輸入すると見られています。また、同社は先週行われていたFoodexで唯一のウルグアイワインのブースとして出展していました。
◆Juanicoはこれまでにも2001年に200ケースほどの対日輸出の実績がありましたので、それを比較しますと、今回の和香イマール社の力の入れようがわかります。今後の注目点ですが、今回の輸入分を果たして売り捌くことが出来るのかということでしょう。Valle MariaやCarrascoはマイナーなブランドである一方、Juanicoは一定の評価を受けることができるかもしれません。北米や欧州でもJuanicoは恐らくウルグアイワインの中では一定の支持を得ているようです。
◆ただし、一番のネックは値段です。今回のJuanicoのラインですが、クラシックが2,500円(タナット)と2,880円(タナット&メルロー、シャルドネ)であり、レゼルヴァが3,900円です。そこまで払ってウルグアイワインを飲みたいという人はそういないと思います。南米からは、これらラインよりも品質も良い他国のもの(例:チリのモンテス・アルファやアルゼンチンのマルベック種のライン)を1,500円~2,000円で手に入れることが出来ます。
◆また、ウルグアイ国内の大手スーパーでは、本日現在、クラシックが114.50ペソ(約550円)、レゼルヴァ149ペソ(約720円)で売られていることを考えますと、リスクに見合った価格設定というよりも競争相手がいないためという価格設定のようにも見受けられます(たしかにウルグアイ側でも仲介する企業がいることも承知はしていますが)。ちなみに、欧州ではこのJuanicoのクラシックのラインが1,000円周辺で購入可能と仄聞していることからしても、日本での価格設定は高めではないかとの印象を覚えます。
◆ウルグアイワインを最初から価格競争に晒すことなく、一つのブランドとして攻めることも一案なのかもしれませんが、知られていない状態でそのような高等な戦略を描いた場合、絵に描いた餅になり兼ねないのではないかと老婆心ながら思ったりします。とはいいながら、最後に、これらウルグアイワイン、4月以降にスーパーなどでお目にかかる機会があるかもしれません。ご関心のある方は直接和香イマール社に問い合わせては如何でしょうか。
◆はじめに、おさらいとして、ここ最近までのウルグアイワインの対日輸出については、ウルグアイ側にとって王道を歩んでいないような歴史がありました。例えば、糖分のないワインが2005年に1000ケースほど輸出されるとか、フランスのワイン会社がウルグアイワインを抱き合わせとして日本の会社に買ってもらったとかいったものです。必ずしも、ウルグアイワインの質が評価されたものではなく、「結果的に」日本に輸出されてしまったようなものが多かったように思われます。そして、メジャーなウルグアイのワイナリーはブラジル、北米、欧州を向いていました。
◆たしかに、ウルグアイでは、付加価値がつくという理由からボトルワインを日本に売りたがるワイナリーの担当者をたくさん見てきましたが、ウルグアイ在住当時、個人的にはボトルワインの輸出は時期尚早だと思っていました。そもそも在庫があまり気味である日本の買い手企業が取り立てて売り込み材料のないウルグアイワインの面倒を見るとは思いませんでしたし、彼らが売りたい価格帯と日本の市場のニーズとがマッチしませんでした。したがって、一部の日本企業の方々には、現地調査も含めて、まずは南米南部の一つの国として、ウルグアイ・ワインはバルクで買う可能性を検討してもらうべく動いた記憶があります(残念ながら商売としては結実しませんでしたが)。
◆一方、2006年から和香イマール社が試験的にウルグアイワインを輸入していることが確認できました。Valle Mariaというウルグアイでは必ずしもメジャーではないワイナリーからでしたが、ある日本人を介して輸入まで至ったようなことを仄聞しています。この会社は2007年秋からは本格的にウルグアイワインの輸入を開始し、2008年2月までに740ケースの輸入すると見られています。
◆また、調達元を増やすべく、ウルグアイで一番の名門であるJuanico、そしてモンテビデオの空港近くで展開するCarrascoといったワイナリーからそれぞれ900ケースと250ケース程度を輸入すると見られています。また、同社は先週行われていたFoodexで唯一のウルグアイワインのブースとして出展していました。
◆Juanicoはこれまでにも2001年に200ケースほどの対日輸出の実績がありましたので、それを比較しますと、今回の和香イマール社の力の入れようがわかります。今後の注目点ですが、今回の輸入分を果たして売り捌くことが出来るのかということでしょう。Valle MariaやCarrascoはマイナーなブランドである一方、Juanicoは一定の評価を受けることができるかもしれません。北米や欧州でもJuanicoは恐らくウルグアイワインの中では一定の支持を得ているようです。
◆ただし、一番のネックは値段です。今回のJuanicoのラインですが、クラシックが2,500円(タナット)と2,880円(タナット&メルロー、シャルドネ)であり、レゼルヴァが3,900円です。そこまで払ってウルグアイワインを飲みたいという人はそういないと思います。南米からは、これらラインよりも品質も良い他国のもの(例:チリのモンテス・アルファやアルゼンチンのマルベック種のライン)を1,500円~2,000円で手に入れることが出来ます。
◆また、ウルグアイ国内の大手スーパーでは、本日現在、クラシックが114.50ペソ(約550円)、レゼルヴァ149ペソ(約720円)で売られていることを考えますと、リスクに見合った価格設定というよりも競争相手がいないためという価格設定のようにも見受けられます(たしかにウルグアイ側でも仲介する企業がいることも承知はしていますが)。ちなみに、欧州ではこのJuanicoのクラシックのラインが1,000円周辺で購入可能と仄聞していることからしても、日本での価格設定は高めではないかとの印象を覚えます。
◆ウルグアイワインを最初から価格競争に晒すことなく、一つのブランドとして攻めることも一案なのかもしれませんが、知られていない状態でそのような高等な戦略を描いた場合、絵に描いた餅になり兼ねないのではないかと老婆心ながら思ったりします。とはいいながら、最後に、これらウルグアイワイン、4月以降にスーパーなどでお目にかかる機会があるかもしれません。ご関心のある方は直接和香イマール社に問い合わせては如何でしょうか。
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by key1229t
| 2008-03-15 22:23
| ウルグアイの生活