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今月からウルグアイでインターネットを使い始めました。

正直、「南米のインターネットの環境って大丈夫かいな?」というのが一つの心配事でした。

ただ、客観的なデータを見ると、
南米の中で、ウルグアイが一番ネットの普及率が高いとのこと。
(まあ、どんぐりの背比べなので、数値は言いませんが)

ここがダメなら、南米はどこもダメと覚悟をしました。

結論から言ってしまうと、ウルグアイについては
会社さえ選べば、大丈夫でしょう。

ちなみに、「会社さえ」という条件は、
やっぱり国営の会社は工事に着手するのに悠長で、
なかなか開通までしないとのことです。

僕にインターネットの会社を紹介してくれた方も
「これは除外ね~」とこの国営電話会社は省いていました。

日本でY○hoo.BBを使っていた人間にとっては、
何を見ても遅く感じてしまうのでしょうが、それも仕方がない。

さて、企業を一社決めて、契約しました。
ダイアルアップとADSLの選択肢があって、結局ADSLに。
(光ファイバーなんてしろものはどうも存在していない)

ちなみに、ADSLのオプションは64K、128K、256Kのどれか。
その会社は、「価格要交渉」なんていう生意気なことを言っていましたが。

参考までに、他社を見ると、
64Kが1,420ペソ(約5,100円)、
128Kが2,190ペソ(約7,900円)、
358Kが5,030ペソ(約18,100円)と
ウルグアイの物価事情を考えるとべらぼうな高さです。
これだけを見ても、彼らはほんといい商売を現地で展開しています。

ちなみに工事はほんとのんびりしています。
一人暮らしでこっちにやってきたら、
仕事どころではなかったと思います(ここのところ、妻に感謝)。
契約で1日、工事で1日、
工事で解決しなかった微調整で2日(速度が遅すぎて苦情を言ったため)。
日本は恵まれていると痛感する瞬間です。
この「南米の常識」に慣れるまで、日本人は胃を痛めるでしょう。

こんな経験をすると、ここで「サービスの質」を売りにするだけでも、
いい商売ができるんじゃないかと思うのは僕だけでしょうか。
南米の悠長さは脈々と生き続けています。
タクシーから街角を眺めます。

ブエノスアイレスの街には、
およそ80年前、豪勢だった頃に築いた遺産が
ゴシック様式の建物群として広がっています。

ものの本によると、当時のブエノスアイレスは
世界の12大都市の一つに数えられて
(他の11都市をちょっと知りたい・・・)、
大英帝国の子分のようにも見られていたようです。

その街並みだけなら欧州と見間違うほどです。

ある意味レトロな建物ならモンテビデオも同じですが、
ハードの部分だけではなくて、ここには文化の薫りもします。
街中のカフェを紹介した本がしっかりと売られています。
(南米ではそもそもカフェの特集で一冊こしらえる発想が出てこない)

素朴な南米の印象からは程遠い
洗練された印象をこの街は与えてくれます。
南米の懐の深さを知りたい方は、
ブエノスに立ち寄ることをお薦めします。
物価のやすいところなら、
アルゼンチンをおすすめします。

今回のブエノスアイレスへの旅での移動では
タクシーを乗り回しましたが、初乗りは1.28ペソ(約40円)。
地下鉄にいたっては一人0.70ペソ(約25円)。
(ブエノスでは現役で走っている旧丸の内線を見れます)

また、東京の青山に出店しててもおかしくないような
シャレた雰囲気のレストランで今回は奮発して、
ご当地マルベック種の高級ワインを一本頼んでも、36ペソ(約1,000円)です。

ちなみにそのとき頼んだ料理二品の合計額は
このワイン代よりも安かったことからしても、
物価の安さが分かると思います。

そして、ヨレヨレのスーツしか持っていないことを妻に責められて、
今回フロリダ通り(東京で言う銀座の中央通り)を歩いたんですけど、
そこで見かけたディ○ールのスーツ(別にブランド志向じゃないけど)が
800ペソ(3万円弱)!

贋者かとも思いましたが、
さすがにブエノスの「銀座4丁目」に贋者は置かないでしょう。
(おまけに専門店だったしね)

物価の安さの背景は、
アルゼンチンで通貨の切り下げが数年前に行われたためです。
これはウルグアイも同様です。

伝え聞いたところによると、南米・エクアドルの金持ちが
わざわざブエノスまで買出しに来ているとも聞いたことがあります。
(エクアドルは通貨を米ドルにしてから、物価が高くなったとのこと)

ついでに、こんなに物価が安いところでも、金持ちはしっかりと存在します。

ブエノスアイレスから1時間も車で走らせれば
(ここの高速道路の最高時速は130キロ)、
ティグレという別荘地に到着します。

そこでは、運河に船をはべらせて、川沿いに別荘を構え、
週末を楽しむ集団が平気でいます。
その光景は本当に優雅です。

とても「債務75%帳消し」を平然と要求するような国には見えません。

ある程度の資産を持っている人々にとって、ブエノスは快適なのでしょう。
家の前にラプラタ川が流れています。

目を瞑って思い浮かべてください。
どんな川を想像していますか?

ちなみに、対岸はどんな景色ですか?どんな建物がたっていますか?

モンテビデオに流れるラプラタ川ですが、
対岸は見えません。船がとお~くに見える程度です。
(いまでも僕は妻に間違えて「海」と言っています)

広島に住んでいた僕にとって、
川は太田川で、海は瀬戸内海ですけど、
瀬戸内海よりもだだっぴろいです。

見渡しても「島」がない。そして、川なのに「波」がある。。。
(瀬戸内海の波は寂しい程度しかないのに・・・)

昔、中国人が瀬戸内海を見て、
「これは川か?」といったことがあるとかないとか。
今の僕はその中国人の気持ちに組みします。
目の前に広がるラプラタが川なら、瀬戸内海も川同然でしょ、と。

さて、このラプラタ川、潮の満干で色が青にも茶色にもなりますが、
青いラプラタ河のときの、透き通った青空との景色は圧巻です。
朝夕、川沿いの歩道でジョギングする人々はそんな贅沢を味わっています。

ただし、こんな素敵なラプラタ川を見せてくれるのもあともう少しだそうです。

冬になると、川から岸に向って遠慮ないスピードの寒風が吹くとのこと。
だから川沿いのアパートは必ず二重窓になっています(今でも風は強いけど)。
ましてや、灰色の雲が空を埋めるそうで、寂しい風景しか目の前に展開しないとのこと。
(なんだか高校時代をすごした冬の五大湖周辺を思い出してしまいます)

「夏休みにウルグアイ!」と考えている方、
来られるのは、12~3月をおすすめします。
今日も昼がやってきました。

最近、ランチに金をかけていません。
職場の近所でおいしそうなレストランがないですし、
そして遠出しようにも車がないんです。。。

こんな「ない」「ない」尽くしのなかで、
近くのコンビニでチーズとハムのサンドイッチで
済ませようと思っていたのですが、
今日はどうしても肉が食べたいっという衝動が。。。

実は、ウルグアイに来た当初から、連日牛肉ばかりを食べていました。
アサードという炭火で炙った肉を出す店が多くて、観光客にはこのような店に人気があります。
更に、チビートスという手軽なフィレ肉のサンドイッチも庶民的で人気です。

ただ、最初の1ヶ月がホテル住まいで、
連日外食でしたから、肉ばかりを目にしてしまうことになって、いつしか肉への飽きが来ました。。。
実際、ここ一週間ぐらい肉の塊を口にすることがありませんでした。

「肉食め!」、「食べ過ぎ!」
と東京のレストランで友人達から糾弾されて続けていた僕でも、
今では肉を口にすることにやや抵抗感を持っています。

「けど、今日は肉を食べたい。。。」

僕の足は近くの冴えない食堂に向っていました。
最初はチビートでも食べようかと思っていました。
ただ、店内には誰もいません。ウェイターが二人だけ。。。

「これは流行っていない。。。やばいな。」

すぐさま、足は違うほうに向かいました。
「あっちの方が客が多そうだ。店から机が溢れていて、
おっちゃん達が楽しそうに食事をしている。ここにしよう」

けど、店内に入って分かったこと。
単純に店の中が狭いだけでした。
おまけにカウンターには昼間から飲んだくれてるオヤジがいます。
表のおっちゃん達もよく見ればアルコールが入っています。。。

肉も出すけど、ここは基本的に飲み屋。
退散するのは自由ですけど、
僕にそこまでの勇気はありませんでした。

なくなくカウンターに座ります。。。

メニューを見ても、肉しかありません。
目の前に広がる棚にはウィスキーしか並んでいません。
間違いなくここは大衆酒場です。

仕方なく、チョリソー(ソーセージ)のサンドイッチを頼みましたが、
店のお兄ちゃん(浦和レッズのサントスを想像すればいいでしょうか)から
「それだけかい?」と一言。
その店に溶け込んでいない僕は、その一言が「心遣い」じゃなくて「威嚇」ととりました。

「じゃあ、アサード(骨付きカルビ)も・・・」おまけにビールまで頼んでしまいました。

ちなみに「昼ビール」は南米では当然の風潮になっています。
さっきからウィスキーのロックを飲みつづけ、今度で4杯に入るオヤジさんの横で
「じゃあ、コカコーラ」とは言えません(どういう見栄なんだろう・・・)。

しばらくしてビールが出てきましたが、1リットル瓶。
おちょくっているのか?これが南米なのか?
でも、ここは飲み屋。それも「あるかもしれません」。
けど、さすがにそれじゃ午後は仕事になりません。

「小さいのない・・・?」。

蚊の泣くような小さな声です。
完全にカウンター越しの「サントス」に主導権を取られてしまいました。

チョリソのサンドイッチとアサードが出てきましたが、
アサードは余計でした。なにせ量が尋常じゃないんです。

サンドイッチを食べ終えた頃に、アサードが皿いっぱいに出てきて、
食べ終わる頃にもう一皿別のものが出てきました。
「頼んでないよ」と弱気なスペイン語を呟いたら、
ここの主人が「さっきの続き」との返事。他の客を見ると、確かにそのようです。。。

炙っていると言っても、油がしっかりと落ちたわけでもありません。
そしてこの量。軽く300グラム以上はあります。

肉を食いきるのに時間のかけすぎました。
料金は全部でチップも含めて130ペソ(約470円)。払いすぎました。。。

そして何よりもまた肉を食べたくなくなりました。。。

職場への帰りに「冴えない」食堂を横切ると、人で溢れています。
「そうだ、ここの人は昼遅くから昼食へと動き始めるんだ」。

さらに後悔の念が込上げて来ました。。。